振り返りのススメ

ネットソリューション部の迎です。

今回、私は社内研修のシンポジウムにて
「振り返りのススメ」という発表をさせていただきましたので、
その内容について紹介したいと思います。

■振り返りとは

「振り返り」とは改善活動の一環で行う手法の一つで、過去を振り返ってより良い未来へ繋げていくことを目的としています。

改善活動の例:PDCAサイクル
・P(Plan:計画)
・D(Do:実行)
・C(Check:評価)
・A(Action:改善)
⇒「振り返り」はこの中で「評価」と「改善」に用いられます。

■なぜ、振り返りを勧めるのか

自分の経験したプロジェクトを思い返してみると、いい印象に残っているのはチーム内、プロジェクト内で改善活動が積極的に行われていた現場が挙げられます。
そういう現場ではほとんどが「振り返り」を積極的にできていたと感じたので。

「振り返り」ができていない現場とできている現場の例を一つずつ紹介していきます。

■振り返りができていない現場の例

以下のようなプロジェクトの問題点がある現場(ウォーターフォール開発)
1.プロジェクトが大幅な遅延により、全体の稼働が高い。
2.作業者の権限が厳密で重要な作業が属人化している。
3.お互いの進捗を把握する場がない。

「振り返り」ができていない場合・・・その後の状況は悪い方向に進んでしまい、大量に人員を追加して無理やり収束させた。

■振り返りができている現場の例

以下のようなプロジェクトの問題点がある現場(アジャイル開発)
1.新規ソリューション(Adobe AIR)の開発経験者がプロジェクト内にいない。(開発当時)
2.打ち合わせの時間が必要以上に長くなってしまう事が多い。

「振り返り」ができている場合・・・その後の状況は良い方向に進んでいき、メンバの生産性や品質向上に繋がった。

■振り返りのやり方について

「振り返り」を行う際に用いる手法の一例:KPT法

これは、定期的なサイクルの中で以下の手順で進める手法です。
1.「Keep:継続すべき事」「Probrem:問題・課題」を集める。
2.集めた情報を元に「Try:改善のための施策」を検討・実施していく。

「振り返り」を実施する場合のポイント
・「振り返り」をする目的は事前に決めて、参加者で共有する。
⇒目的がバラバラだと議論をまとめきれないことがあるため。

・原因追求よりも改善・解決に目を向ける。
⇒特定の人間を責めるようなマイナス方向ではなく、改善に繋げるプラス方向に考える。

・誰でも自由に意見を言えるようにする。
⇒一部の人間だけが発言できないのではあまり効果がない。

・自分たちで実行不可能な改善策はあげない。
⇒実行できない改善策はマイナスな結果にしか繋がらないため、
モチベーションの低下など改善活動の効果が薄れてしまう。

■何のために振り返りをするのかを意識する

「振り返り」はそれをしたからといって全ての問題点が解決する訳ではありませんが、
チームやプロジェクトなどをより良いものにするにはどうすればよいか?
という意識を皆が共有することで、高いモチベーションで働ける理想的な環境に近づけられると私は思っています。
まずは、その一歩を踏み出してみましょう。